確かに拙者は落胤で

 九兵衛から金三郎等に、召抱えの上切腹云々を密報したので、これには驚いた。「でも、確かに拙者は落胤で、証拠の脇差も持参の事故《ことゆえ》」 金三郎は半泣きになって愚痴を口走った。「駄目だよ。トテモ駄目だよ。池田家に取ってその落胤が飛出したので都合が悪いに相違無いのだから、先方に好意が無いのに、...

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今日は一大事の密議

       七

 野末源之丞の屋敷へ呼出された半田屋九兵衛。薄々娘との関係を感付かぬでもなかったので、これはきっと金三郎様に取られぬ前に、娘を所望されるのではあるまいかと、そういう心配をしながら罷り出た。「や、九兵衛。今日は一大事の密議じゃで。遠慮は入らぬ。近う」「へえ」「その方の宿泊人に...

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池田出羽は考えた

 池田出羽は考えた。御定紋の付いた御守脇差を軽々しく侍女に、しかも内密で御遣わしになる訳がないけれども、事実に於てその脇差を金三郎の母鶴江が拝領していたとあるからには、なんと云ってもこれは御落胤だろう。いかな明君でもこの道ばかりは別な物と昔から相場は極っているのだから。 いや、これが事実なら確かに...

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